

工業加熱装置分野では、金属に熱をかけることで時には硬く、時には粘り強くとその性質を変化させる熱技術で社会に貢献しています。
私たち光洋サーモシステムの工業加熱装置分野が目指す方向性を一番端的な言葉で表すと「省エネ・高速・高精度」となります。
この言葉は私たち技術者の頭の中に常にあり、何を行うにしても一つの基準としているものです。
順番に説明しますと、まず「省エネ」についてですが、近年はとりわけ省エネルギーへの関心が強く、環境配慮とエネルギーコストの削減は製品開発の第一の必須条件となっています。特に大きな電力を必要とする工業加熱装置分野における省エネルギー対策は重要な課題です。具体的なものとしましては、当社には高性能ヒータ
「モルダサーム」がありますが、これは世界でも認められたヒータ技術で、独自の技術でヒータ線材の断面を小さく細くしながらも耐久性を保つことが可能なんです。ヒータ金属線の断面積が小さければ、温度の昇降温時間を短縮することができる。つまり目標温度に到達するまでの時間が短ければそこに使用される電力は大幅にカットできますから、この技術は省エネに大きく貢献しています。また、バーナー加熱の場合でも省エネ効果の優れたリジェネバーナーを採用することで省エネ効果をあげています。
次に、「高速」についてですが、これは主に「浸炭」という技術で効果をあげています。金属に炭素を加え、浸透させると硬く、粘り強くなります。
例えば刀鍛冶が焼けた刀身を槌で叩いて鍛え上げるのも浸炭の一種ですが、そのような浸炭技術は現代では大きな力を伝達する部品、自動車・航空機の
ドライブシャフトやギア、ベアリングによく使われます。金属に炭素を与える量はその金属部品の使用用途によって変わるんですが、
私たちは求められる浸炭を十分に行いながら処理時間を短くする「高CO浸炭炉」を開発し、長期にわたった高速・安定稼働を実現しています。
また、前述の高性能ヒータ「モルダサーム」技術で昇降温時間の短縮による省エネ性をご紹介しましたが、昇降温時間の短縮は熱処理時間の短縮にも直結していますから、モルダサームは「高速」処理にとっても大変有効なヒータです。
残る「高精度」はニーズに応じていろいろな開発を行う中で実現してきました。例えば当社の真空浸炭炉「EVC21」では粒界酸化ゼロを実現した高精度な真空浸炭が行えます。また、熱処理後の冷却油槽を真空パージする方法や最新の雰囲気ガス処理など数々の特長を備えた製品を開発し、市場へ提供しています。この他にも「高精度」を目的として開発された製品はまだまだありますが、どの製品においても言えることは、半世紀にわたる工業用熱処理技術の蓄積と経験があるからこそ、様々なニーズにお応えできるということです。
今、私たちは新たな目標「1/2化」に向けて努力をしています。「1/2」はいろいろな意味合いがあり、装置のスペースや大きさ、コストや
タクトタイムなど多くの課題と目標が存在します。技術を進化させることは簡単ではありませんが、その努力は確実にお客様の喜びにつながるはずです。そしてその喜びがある限り、
私たちの技術開発の情熱は続いてゆくのだと思います。